ホームページを制作する目的は企業によってさまざまです。「名刺代わりに最低限の情報が載っていればいい」という企業もあれば、「お知らせや実績を更新して育てていきたい」という企業もあります。

ホームページを制作する際に、「お知らせ」や「ブログ」も付けておいた方が良いだろう、と判断して公開するケースも少なくありません。

しかし公開後になると、

  • 何を書けばいいのか分からない
  • 誰が更新するのか決まっていない
  • 結局そのまま運用が止まってしまう

と悩む企業がとても多いのが現実です。

インターネットで検索すると、「ブログの書き方のコツ」や「テーマの探し方」など、ホームページ運用の方法はたくさん紹介されています。

また、ブログ以外にも、SNS や GMB(Googleビジネスプロフィール)といった情報発信の手段もあり、何から始めれば良いのか戸惑ってしまう方も少なくありません。

この記事では、「何を更新すべきか」よりも、“どうすれば無理なく続けられるのか” に焦点を当てました。

この記事は、

  • ひとり担当の企業
  • 専任担当がいない企業
  • 日々の業務と兼任して運用する企業
  • これからホームページを新規制作・リニューアルしようと考えている企業

といった、多くの中小企業にとって少しでも参考になれば幸いです。

公開後、まず何をすればいい?

ここでは、一般的によく紹介されている“ホームページ公開後の情報発信や、最初にやっておきたい設定の例” を簡単に整理してみました。各項目が「自社でも無理なくできそうか?」 をぜひチェックしてみてください。

最新情報の更新(最低月1回でもOK)

企業の「今」を伝える基本の更新です。お知らせを書く時間がない場合は、写真を1枚差し替えるだけでも立派な更新になります。文章を書く負担がなく、もっとも取り組みやすい作業です。

ただし、更新が長期間止まってしまうと「動いていない会社」という印象を与えてしまい、問い合わせや信頼に影響するケースがありますので注意が必要です。

実績や事例の追加(短文・写真だけでもOK)

実績や事例の追加は、ホームページの信頼性を高めるうえでとても効果的です。BtoB企業では 技術力や対応力の裏付けとなり、判断材料として強い役割を果たします。一方で BtoC企業では、企業やサービスに対する親近感や安心感が生まれ、選ばれやすさにつながる 大切な情報になります。

文章が長く書けなくても問題ありません。写真1枚と短い説明だけでも、「どんな会社なのか」が伝わる更新になります。負担が少ないため、無理なく続けられる項目のひとつです。

ブログ・お知らせの発信(無理のないペースで)

ブログやお知らせの更新は、毎日書かなければいけないということはありません。中小企業では時間を確保するのが難しい場合、月1回〜数回の更新でも効果があります。

書く内容は、かしこまった記事でなくても大丈夫です。

たとえば、

  • 最近の取り組みや社内の様子
  • 新しいサービス・商品の紹介
  • お客様からよくいただく質問
  • 自社が選ばれる理由や強み

など、“小さな情報”でも立派な更新になります。

文章が短くても、「会社がきちんと動いている」という安心感 を伝えることができ、ホームページの鮮度を保つ役割にもつながります。

Googleビジネスプロフィール(GMB)の登録

GMBは、店舗型のビジネスでは特に効果が大きい情報発信ツールです。BtoB企業の場合でも、所在地や企業情報の信頼性を高める役割 があり、ホームページとあわせて整えておくと安心感につながります。

GMBの良いところは、最初に正しい情報を登録しておくだけで、継続的な運用がほとんど必要ない点です。「まずは登録だけしておく」という使い方でも十分価値があります。

※ GMB(旧名:Googleマイビジネス)は、現在の「Googleビジネスプロフィール(GBP)」の名称です。Google検索に 住所・営業時間・写真・地図 などの会社情報を表示できる無料のツールです。

SNSでの発信(採用・社風づくりに有効)

SNSは、採用や社風づくりの目的で、軽い発信を続けるだけでも十分効果が出やすい手段です。

とはいえ、中小企業では日々の業務で手が回らないことも多いかと思います。そのような場合は、無理に新しい投稿を作らなくてもかまいません。

ブログを更新した際に、その記事を Facebook などに軽くシェアするだけでも、立派な情報発信になります。文章を新しく作る必要がないため、“ブログの延長線”として無理なく取り入れられる方法 です。

しかし…実際には続かない会社が多い理由

ホームページの公開後に「何をすればいいか」は分かっていても、実際に更新が続く企業は決して多くありません。

これは、多くの中小企業に共通して見られる状況であり、決して珍しいことではありません。ここでは、その主な理由を整理してみます。

原因1 「誰が更新するのか」が曖昧になっている

中小企業では、ホームページの更新担当を明確に決めないまま公開してしまうケースがよくあります。

  • 社長が時間のある時にやるのか
  • 事務担当が兼任でやるのか
  • 現場スタッフが記事作成を担当するのか

さらに、「今日は忙しいからまた今度にしよう」「時間があるときにまとめてやろう」という判断が積み重なり、意図せず更新が止まってしまうことが珍しくありません。そのため、更新担当が曖昧なまま始まると、どうしても更新が続けにくくなることがあります。

原因2 更新する内容のストックがない

「書く内容が思いつかない」という悩みは、多くの企業に共通します。ブログやお知らせを更新したい気持ちはあっても、いざ書こうとすると手が止まってしまう——これは中小企業では特に起こりやすい状況です。

たとえば、

  • 文章を書くのが苦手
  • どこまで公開してよいか迷う
  • 更新のネタを準備する習慣がない

といった理由が積み重なると、最初の数回は更新できても、続けるのが難しくなってしまいます。

中小企業の現場では、“本業をこなしながら、更新のネタを日常的に集める” というのは、どうしても難しい場面が多くあります。そのため、更新を安定して続けられないという悩みを抱える企業は少なくありません。

原因3 ホームページの構成が“運用前提”になっていない

ここが最も見落とされやすいポイントです。

制作時にはどうしてもデザイン・レイアウト・ページ数など“公開するための項目” が中心になりやすく、“公開後に育てていくための設計” が後回しになってしまいます。

その結果、

  • ブログは作ったが書く習慣がない
  • 実績ページを作ったが写真が揃わない
  • 投稿が数年前で止まっている

こうした状況からも、制作段階で“更新しやすい構成”を考えておくことの大切さが分かります。

更新が続くかどうかは“制作段階”で決まります

一般的に、ホームページは「公開後にどう活用するか」を考えるものだと思われがちです。しかし実際には、多くの企業で “更新が続かなくなる” 背景には、制作段階での設計が運用を想定していない という業界全体の傾向があります。

これは制作会社や企業のどちらが悪いという話ではなく、ホームページ制作の現場では昔からよくある構造です。

制作時にはどうしても

  • デザインをどうするか
  • サービス内容をどう見せるか
  • ページ構成をどうするか

といった「今必要な部分」の話が中心になりやすく、“公開後の日常的な運用” が後回しになることが珍しくありません。そのため、公開してから「さて、何を更新すればいいのか…」と悩むケースが多いのです。

なぜ制作段階の設計が大事なのか?

理由はとてもシンプルで、ホームページは「更新を前提に作られているかどうか」で、公開後の負担が大きく変わるからです。

たとえば…

  • 実績を増やしていく業種
  • ブログで情報発信したい企業
  • お知らせ中心に運用したい企業
  • SNSと連動させたい企業

など、企業によって“続けやすい更新内容”は大きく異なります。

しかし、制作段階でこれを考えずに、一律に「ブログ」「ニュース」「実績」のページを作ってしまうと、

  • 更新しないページが生まれる
  • そのページだけ古く見える
  • 更新が止まっている印象になる

といった逆効果が出てしまいます。

 公開後の迷いをなくすために制作段階で決めておくべきこと

以下は「どの制作会社でも通用する一般的な話」です。

  • どのページを更新していくか
  • どのくらいの頻度で無理なく続けられるか
  • 写真・文章は誰が準備できるか
  • どんな情報発信が自社に向いているか

これらを曖昧なまま公開すると、公開後に「どれから手をつけるべきか」が分からず、更新が止まりやすくなります。

逆に、制作段階でこれらを決めておくと、

  • 更新の負担が極端に減る
  • 迷わず“できる範囲”で続けられる
  • ホームページが自然に育っていく

といったメリットがあります。

特別なノウハウは必要ありません

ここで重要なのは、“高度なマーケティングや専門知識” が必要という話ではありません。

制作段階で「自社が無理なく続けられる更新は何か?」を少し考えておくだけで、公開後のストレスが大幅に減り、自然とホームページが長く使えるようになります。

情報発信におすすめのテーマ

企業によって、続けやすい情報発信の形は異なります。ここでは業種ごとに「続けやすさ」「効果の出やすさ」という観点から中小企業が取り組みやすいテーマを紹介します。

製造業・工事業(BtoBに多い業種)

製造業や工事業は“専門性”そのものが強みになります。企業側から見ると「毎日同じことの繰り返し」に見える作業でも、外部の人から見れば貴重な情報です。

BtoBの例

  • 今日の加工風景
  • 工場・現場の様子
  • 使用している設備や工具の紹介
  • 品質管理の裏側
  • 図面・設計のこだわり
  • 技術者の紹介
  • Before/After

店舗・スクール・クリニック(BtoCに多い業種)

店舗型ビジネスは“雰囲気が伝わる発信”が効果的です。GMBとの相性もよく、写真の追加だけでも信頼感が高まります。

BtoCの例

  • 今日の店内の様子
  • 入荷・メニュー情報
  • 人気商品の紹介
  • スタッフ紹介
  • 教室・施術室の写真
  • イベント案内
  • GMBの写真追加

自社に合ったテーマ選びが継続のコツ

発信テーマは、多ければ良いというものではありません。まずは“無理なく続けられるテーマ”だけに絞ることが大切です。

また、テーマやカテゴリを増やしすぎると、「どこに書けばいいのか分からない」と迷いやすくなり、更新の負担が大きくなる原因にもなってしまいます。

さらに、背伸びをして立派な記事を書こうとする必要もありません。自社が続けられる身近なテーマを、シンプルに選ぶことが長続きのコツです。

無理をせず、自社に合った形で発信を続けることが、ホームページ運用を安定させる一番のポイントといえるでしょう。

まとめ:無理なく続けられる運用が、いちばんの正解です

ホームページ運用は、更新量の多さよりも、“自社が無理なく続けられる形を見つけられるか” が何よりも大切です。

月に1回の更新でも、写真1枚の追加でも、その小さな積み重ねが、時間とともにホームページの信頼性を育ててくれます。

そして、更新が続くかどうかは、公開してから急に頑張るのではなく、

制作段階で「どんな更新なら続けられるか」を考えておくことが大きな鍵になります。

ホームページは、公開した瞬間がゴールではなくスタートです。できる範囲の更新を、できるタイミングで、少しずつ積み重ねていくことで自然と“育っていくホームページ”になっていきます。

まずは、今日できる一歩から。無理のない方法で、ゆっくりと続けてみてください。

ホームページ公開後の運用は、

「続けるのが難しい」「そろそろ見直したい」と感じる企業様も多いかもしれません。

もし今回の記事を読んで、

自社のホームページについて少しでも気になる点がありましたら、

どうぞお気軽にご相談ください。

東京・豊島区を中心に、首都圏の中小企業様のホームページ制作・リニューアルをサポートしています。