前回の記事では、「イイネ!が多いのに、選ばれない理由」について考えてみました。
SNSで興味を持ってもらうことと、実際に「行ってみたい」と思ってもらうことの間には、少し距離があると感じています。
その距離は、投稿を見た人が行動するきっかけをどこで感じ取れるかによっても変わってくるのだと思います。
この記事では、その流れを少し整理してみます。
SNSで生まれた関心の「その先」
SNSで発信している内容は、一つひとつは良いものであっても、興味を持った人が「もう少し詳しく知りたい」と思ったときに、全体像がつかみにくいという性質があります。
そう考えると、SNSで生まれた関心をもう一段深められる“場所”があった方が良さそうです。
関心のありそうな情報を整理しておくことで、初めての人にも分かりやすく伝えられるからです。
情報発信の役割分担
では、その“関心を深める場所”として何が考えられるでしょうか。
中小企業が情報発信を考えるとき、身近な手段としてまず思い浮かぶのがSNSです。
そしてもうひとつ、情報をまとめて伝える手段としてホームページがあります。
同じ情報発信ではありますが、それぞれに向いている役割は少しずつ異なります。
SNSは、直感的に「気になる」を生みやすい場です。雰囲気や日常、人柄といった空気感を伝えることに向いています。
一方で、ホームページは、情報を整理して伝えやすい場です。初めての人が、その商品やサービスへの理解を少しずつ深めていくことができます。
それぞれの得意な役割を結びつけていくことで、興味を「次の行動」につなげるためのもう一歩が見える気がします。
Instagramから、どこに誘導するかで印象は変わる
Instagramの投稿を見て、「気になる」「美味しそう」「行ってみたい」と感じた人は、その先でもう少し情報を知りたい、と思う人も少なくありません。
そのとき、プロフィールのリンク先がどこに設定されているかで、その後に受け取られる印象が変わってくることもあります。
よくあるのは、ホームページのトップページや、メニュー一覧への誘導です。
もちろん、それが合っているケースもありますが、投稿内容によっては、関心の流れが途中で途切れてしまうこともあります。
たとえば、スイーツの写真や制作風景を見て興味を持った人にとって、
知りたいのは「値段」や「一覧」よりも、
- なぜこの商品を作っているのか
- どんなこだわりがあるのか
といった背景かもしれません。
最近では、プロフィールから複数のページへ案内できる形も増えてきました。
たとえば、
- この商品が生まれた背景
- この時期のおすすめ
といったページへ案内することもできます。
投稿の内容の次に、いきなり具体的な情報へ進むのではなく、関心をもう一段深められるページへ案内する。
価格や知名度だけで判断されたくない、と考えているのであれば、その背景をきちんと伝えられる場所があった方が、思いは届きやすくなります。
そう考えてみると、Instagramからの導線の作り方は、少し変わってきます。
関心を深める情報とは
たとえば、
- 素材や原料へのこだわり
- 使用している道具や設備
- 美味しく食べてもらうための工夫
- お店として大切にしている考え方
このように、
写真や動画だけでは伝わりにくいもう一段深い情報に触れられることで、投稿を見て「気になる」と感じたあと、その気持ちが実際に行く・選ぶという行動へ進むための後押しになることがあります。
見た目だけでは分からない背景に気づいたとき、その「気になる」は、より具体的な理由を伴った気持ちに変わっていきます。
その流れの中で、理由が言葉にできる情報へと整理され、新たに、SNSを通して共感や紹介という形で広がっていくことも少なくありません。
関心を深めるページは検索にもつながる
Instagramが「きっかけ」だとすると、Google検索は「見極め」と言えます。
「地域名+業種」や「商品名+エリア」で検索する人は、すでに比較や検討の段階にいます。
そのとき、専門性や考え方が整理されたページが検索結果に表示されているかどうかは、判断に少なからず影響します。
関心をもう一段深められるページを用意するということは、自然と、その分野について詳しく説明したページが増えていくことでもあります。
そうしたページは、検索エンジンにとっても内容が分かりやすく、結果として見つかりやすくなっていく傾向があります。
興味を持った人がより深く知ろうとしたとき、検索で見つかるページがあること。
それは、SNSの反応とは違う形で行動につながる可能性を持っています。
検索は、流れて消えるものではなく、積み上がっていく接点です。
検索で見つかるページが増えるということは、「今すぐ探している人」と出会える機会が、少しずつ積み上がっていくということでもあります。
投稿を続けていく中で
投稿を続けていくと、ふと考える場面もあるかもしれません。
フォロワーは増えてきているけれど、来店や購入につながっているのだろうか。
投稿の内容は、このまま続けていて良いのだろうか。
あるいは、これからSNSを始めようとしている人も、どんな発信をすれば良いのか悩むことがあるかもしれません。
そんなときには、一度、こんなことを考えてみても良いかもしれません。
投稿を見て興味を持ってくれた人が、その先をもう少し知ろうとしたとき、
- その受け皿になる場所はあるだろうか
- そこは関心を後押しするような内容になっているだろうか
自分がつくっている商品やサービスを、もっと知ってもらうために、写真や動画だけでなく、その背景や考え方をきちんと伝えられる場所も少しずつ用意していく。
そうした積み重ねが、SNSを入口で終わらせないためのひとつの形なのかもしれません。
まとめ
SNSは、興味を持ってもらうきっかけとしてとても力のあるツールです。
ただ、その関心がそこで止まってしまうのか、次の行動につながるのかは、その先にどんな情報が用意されているかで変わってきます。
どこで深めてもらうのか。
何が心を動かすのか。
その受け皿があることで、せっかく生まれた興味を次の行動へとつなげやすくなります。
SNS、検索、ホームページ。
情報を発信する場所と、見つけてもらうきっかけ。
それぞれを別のものとして考えるのではなく、つながりのある流れとして見てみる。
せっかく続けている情報発信が、必要としている人に届くように。
そんな視点で見直してみることも、ひとつのきっかけになるのかもしれません。