お店や会社のホームページを新しく作る・リニューアルする際、料金プランやデザインに目がいきがちですが、実はホームページ運用で後悔しないために一番大切なのは、契約まわりの基本を知っておくことです。
特に、ホームページの土台となる、ドメイン(住所)・サーバー(土地)・メール(連絡手段)この3つは、契約の仕組みを知らないとトラブルになりやすい部分です。
さらに、意外と見落とされがちな 「ホームページの所有権は誰にあるのか?」 という点も、後々の運用に大きく影響します。
そして、一般的によくある料金プランである「サブスク型」・「一括払い型」にもそれぞれメリット・デメリットがあります。
ここでは、初心者の方にもわかりやすく、ホームページ契約で特に重要なポイントだけを整理してまとめました。
✔ こんな人におすすめの記事です
- 初めてホームページを作る方
- 制作会社選びで迷っている方
- サブスク型と一括払い型の違いがよく分からない方
- ホームページを作るときに「何を確認すべきか」知りたい方
- 失敗やトラブルを避けたい方
ドメイン(ホームページの住所)
ドメインとは、URL(例:〇〇.jp)のことです。 ホームページの「住所」のような存在で、今後ずっと使い続ける大切な資産になります。
お店や会社のホームページでは、この 〇〇.jp のような事業用のドメインを「独自ドメイン」と呼び、メールアドレス(info@〇〇.jp ) などでも同じ文字列が使われることが多いです。
ドメイン取得にかかる費用(目安)
独自ドメインは、「レジストラ(ドメイン登録事業者)」と呼ばれるサービス会社と契約することで取得できます。費用は年間単位で発生し、一般的な相場は次の通りです。
- .jpドメイン:年間 3,000〜4,500円ほど
- .comドメイン:年間 1,200〜1,800円ほど
(サービス提供会社によって多少の差があります)
独自ドメインはランニングコストが比較的少なく、長く使うほど検索評価が安定するため、“育てる資産”として考えるのがおすすめです。
ドメインの契約方法
ドメインは、お店や会社で契約する方法と、制作会社などが代行して契約する方法などがあります。どちらの方法でもホームページの運用自体は問題なくできますが、制作会社に任せる場合は 契約前に確認しておきたいことが1つあります。
ドメインの契約者(名義)が誰になるか
制作会社がドメインを代行取得する場合、契約者(名義)が制作会社になるケースがあります。
その場合、契約内容によっては、
- 制作会社を変えたいときに使い続けられない場合がある
- 解約時に名義を変えるための手続き費用がかかることがある
- 契約終了と同時にドメイン利用が終了する
といったことがあります。
ドメインは“積み重ね”が大切
ドメインには 「どれくらい長く使われてきたか」 を示す“ドメインエイジ” という考え方があります。
長く使われているドメインは、Googleから信頼できるサイトと見られる傾向があり、結果として検索評価に良い影響が出る場合があります。
つまり、ドメインは できるだけ長く同じものを使い続けることが大事 です。
もし途中で新しいドメインに変更する場合、その新しいドメインは 信用や評価をゼロから積み上げ直す必要があり、検索評価の面でもデメリットがあります。
✔ ドメインまとめ(初心者向け)
- ドメインはホームページの「住所」
- 制作会社に任せる場合は、契約者(名義)を確認
- 名義が制作会社だと、他社に変更する際にドメインを移せないことがある
- ドメインは長く使うほど“信頼”が積み重なる
- 自社名義にしておくと、将来のトラブルを防ぎやすい
サーバー(ホームページの保管場所)
サーバーとは、ホームページのデータを置いておく場所です。「ホームページという家を建てるための土地」のようなイメージです。
サーバー契約にかかる費用(目安)
一般的な国内サーバーの費用は次のとおりです(代表例:エックスサーバーなど)。
- 月額費用:900〜1,500円ほど(年間10,000〜20,000円)
- WordPress対応・高速・メール利用込みが標準
サーバーはサイトの表示速度・安定性・セキュリティに大きな影響を与えるため、単に安価なものではなく、中長期的に安心して使えるかを基準に選ぶことが重要です。
サーバーの契約方法
サーバーを利用するための契約方法には、主に次の2つがあります。
- お店や会社が自分でサーバー会社と契約する方法
- 制作会社が契約しているサーバーを利用する方法
どちらでも運用は可能ですが、契約前に知っておきたい注意点があります。
制作会社のサーバーを使う場合に知っておきたいこと
制作会社が用意したサーバーを使うプランは、「制作+サーバー+保守管理」がセットになっているケースが多く、お店や会社側でサーバーの細かな設定を行う必要がないため、手軽というメリットがあります。
ただし、このようなセット型のプランの中には、ホームページのデータや構築物の所有権が制作会社側になる契約もあるため注意が必要です。(ホームページの所有権については後ほど別の章で説明します)
✔ サーバーまとめ(初心者向け)
- 独自ドメインメール(info@〜)が作成できるか
- SSL対応・自動バックアップなどのセキュリティが標準で含まれているか
- サイト表示速度や安定性に問題がないか
- WordPressが使用できる環境か(必須ではないが、将来的な拡張性を考えると確認しておくと安心)
メール(連絡手段)
お店や会社で使う info@〇〇.jp のようなメールアドレスは、取引先やお客様との正式なやり取りに使われる大切な連絡手段 です。
このメールアドレスは、ホームページのURLに使われている〇〇.jp(ドメイン) をそのまま利用して作られます。
たとえばホームページが
https://〇〇.jp
であれば、メールは
info@〇〇.jp
というように、URL と同じドメインに @ をつけた形になります。こうしたメールアドレスは「独自ドメインメール」と呼ばれ、お店や会社のブランドや信頼性を示すために、多くの事業者で採用されています。
ここまでドメインやサーバーの基本を説明してきましたが、中でも注意したいのが「メールアドレス」です。
なぜメールアドレスが重要なのか?
理由はとてもシンプルで、メールアドレスは事業者側だけでなく、取引先やお客様など第三者との連絡に使われるため、変更すると影響が大きいからです。
メールアドレスが使えなくなったり、変更が必要になったりすると、
- 取引先に変更連絡をしなければならない
- 古いアドレス宛のメールが届かなくなる
- 問い合わせの取りこぼしが発生する
- 信頼低下につながる
- 過去のメール履歴が失われる可能性がある
などの影響が出る可能性があり、特にメールでのやり取りが中心の業務では大きな問題になります。
制作会社のサーバーでメールを使う場合の注意点
メールアドレスはドメインやサーバーと深くつながっているため、制作会社のサーバーでメールを運用する場合、契約を終了するとメールアドレスも利用できなくなるケースがほとんどです。
お店や会社の代表メールである info@〇〇.jp が突然使えなくなると、業務に大きな支障が出てしまいます。
そのため、「解約後も同じメールアドレスを使い続けられるか」 は契約前に必ず確認しておきたいポイントです。
✔ メールまとめ(初心者向け)
- URL と同じドメインを使ったメールのことを「独自ドメインメール」
- メールアドレスは第三者との連絡に使われるため、変更すると影響が大きい
- 契約終了後も同じメールアドレスを使い続けられるか確認
所有権(ホームページは誰のもの?)
ホームページを作るときに意外と見落とされがちなのが、ホームページの“所有権”は誰にあるのかという点です。
ドメイン・サーバー・メールは「インフラ」に関わる部分でしたが、所有権は ホームページそのもの(デザイン・文章・構造)を誰が保有するかを決める、とても大切なポイントです。
制作会社との契約内容によって所有権の扱いは大きく変わるため、必ず確認しておきたい項目です。
所有権とは?(まずは基本の確認)
ここでいう「所有権」とは、作ったホームページを、今後も自分のものとして自由に使い続けられるのかどうかを決める考え方です。
ホームページには、
- デザイン(見た目)
- ページ構成
- WordPressのテーマ
- 写真やバナー画像
- サイト内の文章
など、さまざまなデータがあります。
これらを “全部自分のものとして扱っていいのか”
それとも “契約をやめると使えなくなるのか”
これが所有権の違いです。
お店や会社(依頼主)が所有権を持つケース
依頼主が契約しているサーバーに、ホームページを納品・構築してもらうケースは下記の場合が多いです。
- 作ったデザイン・データはすべて依頼主のもの
- 解約後もサイトデータがサーバーに残る
- 別の制作会社に更新やリニューアルを依頼できる
制作会社が所有権を持つケース
制作会社の中には、次のような事情からサイトの所有権を自社に置く契約を採用しているところがあります。
- サブスク型(月額制)のサービスとして提供しているため
- 自社専用のテーマ(テンプレート)を使用しているため
- 契約期間中に仕様変更や保守管理を行うため
このような提供形態の場合「解約後にサイトデータを渡せない」「引き渡し可能だが有料」という契約になっている場合があるので確認しておくと安心です。
✔ 所有権まとめ(初心者向け)
- 所有権=ホームページを「誰が持つか」という権利
- 制作会社によって契約内容が大きく異なる
- 所有権が制作会社にあると、引き継ぎ不可・データ消失などのリスクがある
- ブログや実績など“事業の資産”を守るためにも、自社所有が安心
- 契約前に「所有権」「解約後のデータ提供範囲」を必ず確認する
サブスク型と一括払い型の違い
ホームページ制作の料金形態には大きく分けて 「サブスク型(月額制)」 と 「一括払い型」 の2つがあります。
どちらが良いかというよりも、契約内容や仕組みが異なるため、自分の状況に合った形式を選ぶことが大切 です。
サブスク型(月額制)とは?
サブスク型は、月額料金を支払うことでホームページを利用できる契約形式です。
初期費用を抑えて始められるため、
- 開業したばかりの店舗
- 初期費用にあまり予算をかけられないケース
などでも導入しやすいのがメリットです。
また、毎月の料金には次の内容が含まれている場合が多くあります。
- サーバー費用
- ドメイン費用
- 無料修正(回数制限あり)
そのため、ホームページ運用の手間を制作会社側に任せられる点もメリットです。
ただし、契約内容によっては ホームページのデータやドメインが制作会社側に帰属する ことが多く、
解約すると
- ホームページが使えなくなる
- ドメインが引き継げない
- データを受け取れない
いうケースがあります。
そのため、契約前に「解約後どうなるか」を確認しておくと安心です。
✔ サブスク型まとめ(初心者向け)
- 初期費用を抑えてスタートできる
- 月額料金に「サーバー・ドメイン・無料修正」が含まれていることが多い
- 運用管理を制作会社に任せられるので手間が少ない
- 長期契約では総額が高くなる傾向
- 解約するとサイトが使えなくなる契約が多い
一括払い型とは?
一括払い型は、制作費を最初に支払い、完成したホームページを依頼主の資産として保有できる契約形式 です。初期費用は高く見えますが、その後の月額負担が少ないため、中長期ではコストを抑えやすい のが特徴です。
また、
- サーバー
- ドメイン
は依頼主が契約するケースが一般的ですが、制作会社が設定サポートを行う場合もあります。
サブスク型と異なり、
- データ所有権が依頼主にあることが一般的
- ほぼすべてのデータを引き継げる
- 別の制作会社へ自由に依頼できる
といった自由度の高さが大きなメリットです。
修正作業は「都度見積」になるケースが多いですが、その分、不要な月額費用を払い続ける必要はありません。
✔ 一括払い型まとめ(初心者向け)
- 最初に制作費をまとめて支払う
- ドメイン・サーバーは依頼者の契約(サーポート付きの場合も)
- 修正はその都度料金を支払う
- ホームページの所有権は依頼者になるのが一般的
- ランニングコストが低く、中長期で費用を抑えやすい
サブスク型と一括払い型の費用比較
サブスク型と一括払い型の違いが分かったところで、「結局どれくらい金額が変わるの?」という疑問が出てくると思います。
そこで今回は、
- 一般的なサブスク型(月額19,800円を想定)
- ページ数5ページ程度
- ブログ投稿機能付き
という 、サブスク型でよくある構成を基準 とし、それと同じ内容に近い 当社のアクティブプラン(一括払い型) を比較しました。
「どちらが安いか」を決めるものではなく、費用の考え方の参考 としてご覧ください。
なお、サブスク型は 2年間などの契約期間が設けられているケースもあり、契約期間内は途中解約ができなかったり、解約時に手数料が発生する場合もあります。事前に確認しておくと安心です。
| プラン名 | 初期費用 | 月額費用 | ページ数 | ブログ投稿機能 | ドメイン・サーバー | 修正対応 | 所有権 | 2年間総額(目安) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| サブスク型 | 0円 | 19,800円 | ※5ページ程度 | ○ | 料金込み | 回数制限あり | 制作会社 | 約475,200円 |
| アクティブ(当社) | 350,000円 | 0円 | 5ページ | ○ | 別途(年間約20,000円) | 都度見積もり | 依頼主 | 約390,000円 |
※サブスク型はサービスにより構成やページ数が異なります。あくまで一般的な相場の目安です。
2年間の総額で比較すると、
- サブスク型:約47万円
- 一括払い型:約39万円(当社アクティブプラン)
となり、初期費用は高くても 2年間の総額では当社アクティブプランのほうが安い という結果になります。
差額は 約8万円 です。
ただし、これは「2年間の修正がほとんどなかった場合」の概算です。
アクティブプランは修正が都度見積のため、修正が多く発生した場合にはサブスク型より高くなる可能性もあります。
そのため、
✔ サブスク型(月額制)が向いている人
- 毎月の更新・修正を継続的に依頼したい
- 修正費が月額に含まれていた方が安心
- 初期費用を抑えて始めたい
✔ 一括払い型(アクティブプラン)が向いている人
- 毎月の支払いを減らし、総額を抑えたい
- 長期的に運用することを前提にしている
- サイトを自分の資産として自由に運用したい
といったように、お店や会社の運用スタイルに合わせて選ぶのが安心です。
まとめ:契約の不安を解消し安心してHPを運用するために
ホームページ制作を検討するとき、つい デザインや料金だけに目が行きがち ですが、実際にトラブルが起きやすいのは、契約まわりの部分 です。
特に、
- ドメインが制作会社名義になっていた
- 解約したらメールが使えなくなった
- サイトデータをもらえず作り直しになった
といったトラブルは、契約内容や仕組みを十分に理解できていなかったことが原因で起きるケースがほとんどです。最初にポイントさえ押さえておけば、サブスク型でも一括払い型でも、安心してホームページを運用していくことができます。
✔ お店や会社が押さえておきたいポイント
- ドメインはできれば 自社名義 にしておく
- サーバーは契約内容・契約方法を確認
- メール(info@〜)は 途中で使えなくなるリスク をチェック
- 所有権は 誰にあるのか必ず確認
- プランは 自社の運用スタイル に合わせて選ぶ(サブスク or 一括)
✔ 迷ったときの考え方
- サブスク型(月額制)
→ 更新・修正やサーバー管理も含めて制作会社に任せて、手間なく運用したい人 - 一括払い型
→ 将来のために、サイト管理やデータを自社でコントロールできる状態にしたい人
ホームページは、お店や会社の「信用」や「情報発信」に欠かせない大切な資産です。契約内容をしっかり把握しておくことで、長く安心して運用できます。
必要であれば、具体的な状況をお伺いしたうえで、最適なプランの考え方のアドバイスも可能です。ホームページ制作やリニューアルをご検討の方は、どうぞお気軽にご相談ください。