スマートフォンで動画を見ることが日常になった今、YouTube広告は中小企業にとっても身近な広告手法になっています。
一方で、
- 「本当にうちに向いているのか?」
- 「チラシの代わりになるのか?」
- 「動画を作るのは大変そう」
といった疑問を感じつつ、興味はあるものの、なかなか踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、YouTube広告のメリットだけを強調するのではなく、中小企業にとって現実的な“使い方”という視点から整理します。
なぜ今、YouTube広告なのか
YouTube広告が選択肢として挙げられるようになった背景には、いくつかの身近な変化があります。
- スマートフォンで動画を見ることが当たり前になった
- テレビCMほど大きな予算をかけなくても始められる
- 動画配信プラットフォームの中でも、利用者数が非常に多い
- 地域や年齢など、ある程度の絞り込みができる
また近年では、スマートフォンだけでなく、テレビ画面でYouTubeを視聴する人 も増えており、YouTubeは特定の世代だけのものではなくなっています。
こうした背景から、
**YouTube広告は「中小企業でも検討できる広告の一つ」**として
選択肢に入りやすくなっています。
ただし、YouTube広告にも得意な場面と、そうでない場面があります。数ある広告手法の中の一つとして、どのような役割で使うのかを意識することがポイントです。
中小企業では、YouTube広告はどのように使われているのか
イベント・セール・キャンペーンの告知
YouTube広告が最も活用されやすいのが、日付や期間が決まっている告知です。
実店舗やECショップの広告などで、
- 期間限定
- 今週開催
- ○日まで
といった、催し物の案内として配信されている広告を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
YouTube広告は、短い時間ですべてを伝えるというよりも、開催や存在を知らせるための広告として使われるケースが多く見られます。
サービスやお店の存在を知ってもらうための広告
YouTube広告は、新店舗オープンや新サービス開始の告知とも相性が良い広告です。
新しいお店やサービスは、すぐに購入や申し込みを求めるよりも、
- まず知ってもらう
- 名前や存在を覚えてもらう
ことが重要になります。
また、季節の変わり目や年間行事に合わせて広告を配信する方法もあります。
例えば、父の日や母の日、梅雨や夏本番といった季節のタイミングで、お店やサービスの存在を思い出してもらう目的で配信するケースもあります。YouTube広告は、こうした認知づくりの段階で力を発揮しやすい広告です
地域を絞った情報発信としての活用
中小企業の場合、商圏がある程度決まっているケースがほとんどです。
そのため、広い範囲に一律で広告を出すよりも、関係のある地域に絞って情報を届けることが重要になります。
YouTube広告では、
- 配信エリア
- 年齢層
などをある程度設定できるため、店舗やサービスの商圏内にいる人へ、無駄を抑えながら広告を届けやすい特徴があります。
例えば、
- 店舗から一定距離内だけに配信する
- 主な利用者層の年齢に合わせて配信する
といった調整ができるため、「来店や利用につながりにくい層」への配信をあらかじめ避けることも可能です。
このように、限られた予算の中で効率よく情報を届けたい中小企業にとって、地域を絞った情報発信ができる点は、YouTube広告の大きな特徴のひとつと言えます。
YouTube広告で「やりやすいこと」と「工夫が必要なこと」
YouTube広告には向き・不向きというより、やりやすい使い方と、工夫が必要な使い方があります。
比較的やりやすい使い方
- 日付・期間が決まっている告知
- テーマを一つに絞った訴求
- 地域を限定した配信
これらは、短い動画でも伝えやすく、YouTube広告と相性が良い使い方です。
工夫が必要になるケース
- 商品やサービスの情報量が多い場合
- 動画だけで完結させようとする場合
YouTube広告は、検索広告のように「今すぐ探している人」に向けた広告とは性質が異なります。
YouTubeを視聴している人は、動画を楽しむ目的で利用していることが多いため、広告を見た直後に購入や申し込みにつながるケースは、商材によっては多くありません。
そのため、
- すぐに売る
- すぐに申し込ませる
ことを目的にするよりも、
興味を持ってもらう・知ってもらうという役割で考えたほうが、中小企業にとって無理のない使い方になります。
中小企業がYouTube広告を考えるときの基本ルール
動画は15秒、長くても30秒が基本です
YouTube広告は、「見たいと思って再生される動画」ではなく、動画を視聴している途中に流れる受動的な広告です。そのため、動画の再生時間が長いと、分かりやすい説明をしていたとしても、必ずしも最後まで見てもらえるとは限りません。
こうした視聴時の行動や心理を踏まえると、YouTube広告で使われる動画は、15秒、長くても30秒程度が基本になるケースが多く見られます。
YouTubeを視聴していると、動画の再生前や途中で広告が流れ、数秒後に「スキップ」できる広告を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。このようなスキップ可能な広告(インストリーム広告)では、最初の5秒で「何の広告か」が伝わるかどうかが、その後も見てもらえるかを大きく左右します。
そのため、15秒の動画であっても、冒頭で伝える内容や順番を整理することが重要になります。
撮影がなくても、動画広告は始められる
YouTube広告は、必ずしも撮影が必要なわけではありません。
動画広告というと、どうしても撮影が必要になり、制作コストが高くなってしまうと思われがちですが、写真やイラスト、テキストを組み合わせることで、動画広告を作ることも可能です。
今ある素材を活用しながら始められるため、最初のハードルを下げて検討しやすい点も、YouTube広告の特徴のひとつです。
月5万円前後から、小さく試すという考え方
いきなり大きな予算をかける必要はありません。
例えば、店舗の半径10km圏内に絞り、2週間で5万円分だけ配信してみるといった形で、あらかじめ決めた予算内で実施することも可能です。
まずは小さく始め、反応を見ながら配信内容や条件を調整していく。
YouTube広告では、表示回数や視聴数、クリック数などの数値を確認しながら進めることができるため、結果を見つつ判断しやすい点も特徴です。
このような進め方が、中小企業には無理のない方法と言えます。
YouTube広告とホームページの役割分担
YouTube広告は、まず興味を持ってもらうために活用されるケースが多い広告です。
ただし、詳しい説明や、より多くの情報を伝えようとすると、短い動画だけでは難しい場面もあります。そうした場合に、説明しきれない部分を補う受け皿として、ホームページが重要な役割を果たします。
YouTube広告からは、リンクを通じて直接ホームページを見てもらうことができるため、詳しい情報を確認してもらいやすくなります。
受け皿となるページとしては、広告専用のホームページ(ランディングページ)を用意し、次のアクションにつなげやすくする方法もあります。ただし、必ずしも新しくランディングページを作る必要はなく、既存のホームページで広告内容を詳しく伝えられていれば、十分に対応できるケースも多くあります。
YouTube広告は紙媒体と組み合わせることもできる
YouTube広告は、紙媒体と対立するものではありません。
むしろ、これまで新聞折込チラシやポスティング、ダイレクトメールなどの紙媒体を活用してきた企業ほど、YouTube広告と組み合わせることで効果を高めやすいケースもあります。
例えば、
- 新聞折込チラシの折込日当日
- ダイレクトメールの宅着日
に合わせてYouTube広告を配信することで、
「そういえば、チラシが入っていたな」
「ダイレクトメールが届いていたな」
といった記憶のつながりを作ることができます。必要なときに紙で情報を見返す。こうした流れができると、広告全体としての相乗効果が生まれやすくなります。
紙と動画、それぞれの役割を分けて考える
分かりやすい例が、スーパーマーケットやホームセンター、量販店など、多くの商品を扱う店舗の広告です。チラシには、多くの商品情報や価格が掲載されていますが、それらをすべて動画で伝えるのは現実的ではありません。
一方で、
- セール開催日
- 今週の目玉商品
- キャンペーンのお知らせ
といったポイントであれば、15秒程度のYouTube広告でも十分に伝えることができます。
詳しい商品情報や価格はチラシで確認してもらい、YouTube広告は「気づき」や「思い出すきっかけ」を作る。このように役割を分けて考えることで、紙媒体とYouTube広告はお互いを補完し合う関係になります。
記憶をつなげることで生まれる相乗効果
動画で印象に残り、必要なときに紙で情報を見返す。
こうした流れができると、広告全体としての相乗効果が生まれやすくなります。
紙か動画か、どちらかを選ぶのではなく、それぞれの役割を意識して組み合わせることで、中小企業でも無理のない広告活用がしやすくなります。
広告は「単体」ではなく「組み合わせ」で考える
YouTube広告は、動画だけで完結させて購買や申し込みにつなげるのが難しい商材も少なくありません。これはYouTube広告が悪いという話ではなく、広告ごとに得意な役割が違うというだけのことです。
YouTube広告は、
- 興味を持ってもらう
- 印象に残す
- 思い出すきっかけを作る
といった役割を担いやすい一方で、詳細な情報をじっくり伝えることには向いていません。
それぞれの広告に「役割」を持たせる
そこで重要になるのが、広告を単体で完結させようとしないという考え方です。
例えば、
- 動画で印象に残す
- ホームページで詳しく確認してもらう
- 必要に応じて紙媒体で情報を見返す
このように役割を分けて設計することで、それぞれの広告が無理をせず、本来の強みを発揮できます。
「全部やる」ではなく「つなげる」
中小企業の広告で大切なのは、
すべてを一つの広告で伝えようとすることではありません。
- どこで興味を持ってもらうのか
- どこで詳しく説明するのか
- どこで安心・納得してもらうのか
この流れを整理し、広告同士をつなげて使うことで、結果として全体の効果が高まりやすくなります。
まとめ|YouTube広告は「使い方次第」で活きる
YouTube広告は、すべての課題を解決する広告手法ではありません。しかし、役割を理解して使えば、中小企業にとって心強い選択肢になります。
大切なのは、
- どう伝えるか
- どう組み合わせるか
- 効果をどう捉えるかです。
YouTube広告は、必ずしも「見た人がすぐに購入・申し込みをする」ための広告ではありません。「興味を持ってもらう、印象に残る、思い出してもらう。」
そうした役割を担うことで、ホームページや紙媒体など、他の施策と組み合わさったときに力を発揮します。
動画だけで完結させるのではなく、今行っている施策とどう組み合わせるかを考えることで、広告全体の効果は高まりやすくなります。
プリマネットでは、YouTube広告に限らず、ホームページや紙広告など、今行っている施策をどう活かすかという視点で、広告全体の整理や設計をサポートしています。
「何から考えればいいかわからない」「今のやり方が合っているのか確認したい」そんな段階でも構いません。ご興味があれば、お気軽にご相談ください。
プリマネットは、東京都豊島区を拠点に、首都圏の中小企業様を中心に、広告や情報発信の整理・設計をサポートしています。
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